うわああああ、やった、やった、やったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー! やりました! ついにやったのです。 途切れ途切れとはいいながら、磯竿を握って13年。ついにクロダイを釣ったのです! 絡む糸、繰り返す根掛かり。その上、やれコマセを撒けの、ダンゴを作れの、カニを針につけて海底にかじりつかせろの、めんどくさい釣り方がいろいろ紹介されていて自分にはとてもできそうになく、それではいっそのこと絶滅したことにしようとあきらめていたのです。これまで、雑魚しか釣れず、それもちょこっとしか釣れなかった私が、この3日間にアオリイカ、メジナ、クロダイですよ。いったい、どうなってしまったのでしょう。まさに釣りの神様が降りてきたような気がします。
前日のメジナゲットの興奮が残っていたのでしょう。明け方に夢を見まして、それが「朝行けば、今度はクロダイが釣れるよー」というものだったのです。目が覚めるとお告げがはっきりと脳裏に焼きついておりましたので、6時前に家を出ました。最近は餌の自動販売機というのがあり、突然の早朝の釣行でも心配はいりません。
こんな朝早くに、と思いましたが、前日のメジナ場に到着してみますと、なんと釣り場は早くも満員。「オレのメジナ場で何をしている」と怒りそうになりましたが、そうか、みんなこんなに早起きして釣りをしていたのね、と目からウロコが落ちました。残っているのは非常にポイントが遠く、根掛かりも多そうな条件の悪い場所でしたが、しかたなく入りまして、釣り始めますと、なんと、また私の浮きが、クッと消しこみ、根に持ち込まれそうになります。あわてて竿を立てまして、すると、満月のごとく引き絞りまして、周囲からオオッというどよめきが上がります。夢中でリールを巻くと、メジナとは異なる、何やら「平たい」感覚が手元に伝わってくるのです。海中に見えてきたのは、銀鱗も鮮やかなクロダイ。「おおチヌやチヌや」と周囲の歓声。取り込まれたクロダイは朝日を浴び、きらきらと輝いておりました。これほど美しい魚体を私は見たことがありませんでした。
その後の私は、メキシコ五輪陸上男子走り幅跳びで前代未聞の8メートル90を跳んでしまったボブ・ビーモンのように虚脱状態になり、もはや釣りになりません。思えばこの10数年はこの一瞬のためにあったのです。早々に切り上げて家でクーラーを開けますと、幸いまだ生きていました。お祝いの酒を飲ませて、一気に血抜き。こんな朝に、とは思いましたが、姿作りにしました。
まだ生体反応の残るような身がはぜて、コリコリです。旨い! 朝釣りした場合は、このように朝から刺身を食べるのでしょうか。晩までとっておいては、せっかくの新鮮さを失ってしまうような気がして。
それにしても霊験あらたかなお告げでした。釣りの神様、次はマゴチかヒラメをお願いします。マダイでももちろんいいです。イシダイでも歓迎します。
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